桜会

1930年、武力による国家改造を目指して結成された、陸軍中堅将校の秘密結社は何か?
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【参考リンク】
桜会(Wikipedia)

桜会 (さくらかい)

1930〜1931年

【概説】
昭和初期に陸軍の精鋭・中堅将校によって結成された、武力による国家改造を目指す秘密結社。参謀本部の橋本欣五郎中佐らを中心に組織され、政党政治の打倒と軍部独裁政権の樹立を狙った。昭和ファシズムの台頭期において、陸軍急進派による過激な政治運動の先駆けとなった存在である。

結成の背景と国家改造思想

1920年代末からの世界大恐慌、それに伴う昭和恐慌によって日本社会、特に農村部は深刻な疲弊状態に置かれていた。これに加え、1930年に調印されたロンドン海軍軍縮条約をめぐる「統帥権干犯問題」は、政党政治や協調外交に対する軍部や右翼勢力の不満を決定的なものにした。

こうした状況下、陸軍内部では北一輝らの超国家主義思想に影響を受けた「昭和維新」の気運が高まっていった。1930年9月、参謀本部ロシア班長であった橋本欣五郎中佐らを中心に、陸軍省や参謀本部の幕僚・中堅将校(佐官・尉官クラス)ら約100名を集めて結成されたのが桜会である。彼らは既成政党や財閥を打倒し、軍部主導の独裁政権を樹立することで、国家の抜本的な改造(軍国主義的・国家社会主義的体制への移行)を強硬に主張した。

相次ぐクーデター計画の挫折と歴史的影響

桜会は単なる思想研究団体にとどまらず、武力による具体的な政権奪取計画を実行に移した。1931年3月、民間右翼の大川周明らと結託し、労働運動のデモに乗じて議事堂を襲撃、宇垣一成陸相を首班とする軍事政権の樹立を企てた(三月事件)。しかし、宇垣本人の同意が得られず計画は直前で中止された。同年10月には、若槻礼次郎内閣の閣僚らを暗殺して荒木貞夫陸相を首班とする独裁政権の樹立を狙ったが、事前に情報が漏れて首謀者が検挙され、失敗に終わった(十月事件)。

一連の事件ののち、桜会は解散を余儀なくされた。しかし、軍上層部がクーデターに関与した将校らに対して極めて軽い処分しか下さなかったため、軍部内における法秩序の弛緩と政治介入の傾向はむしろ強まることとなった。桜会の崩壊は、陸軍内部の「革新運動」の主導権をめぐる皇道派統制派の対立を生み出す契機となり、その後の五・一五事件二・二六事件といった、より急進的で暴力的な青年将校らによる反乱事件の導火線となった点で、昭和史において極めて重要な歴史的画期であったといえる。

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最終更新:2026年6月17日 @ 23:49

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