日の丸
1870年制定
【概説】
白地に赤丸(赤陽)を配した、日本の国旗である「日章旗」の通称。1870年に太政官布告によって日本の商船が掲げる「御国旗」として制定され、近代国家としての歩みの中で事実上の国旗として定着した。
対外関係の緊迫と「日の丸」の起源
白地に赤の日の丸という意匠は、古来より日の出を象徴するものとして、武士の扇や船印などに広く用いられていた。これが「国家」を代表する標識として浮上したのは幕末期である。欧米列強の艦船が日本近海に出没するようになると、日本の船と外国船を識別するための信号が必要となった。薩摩藩主の島津斉彬らの進言を受け、江戸幕府は1854(安政元)年に日の丸を日本船共通の標識(惣船印)と定め、これが近代における日の丸の公的な使用の始まりとなった。
明治政府による制度化と「国旗」への歩み
明治維新を経て誕生した新政府は、近代国際社会に参入するにあたり、正式に船籍を示す旗を定める必要に迫られた。これにより、1870(明治3)年1月27日の太政官布告第57号「商船規則」において、日の丸は商船に掲げる「御国旗」として規定された。同年10月には海軍の艦船にも採用され、事実上の国旗として国内外に認知されていく。長らく慣習的な国旗として用いられてきたが、正式に法制化されたのは1999(平成11)年に制定された「国旗及び国歌に関する法律(国旗国歌法)」においてである。