地域改善対策特別措置法

1982年、失効した同和対策事業特別措置法を引き継ぎ、引き続き対象地域の環境改善などを進めるために制定された法律は何か?
カテゴリ:
重要度
★★

地域改善対策特別措置法 (ちいきかいぜんたいさくとくべつそちほう)

1982年

【概説】
「同和対策事業特別措置法」の期限切れに伴い、1982年に制定された法律。被差別部落の生活環境の改善、産業の振興、教育や就労の支援といった同和対策事業を継続し、差別解消を図ることを目的とした時限立法である。

「同和対策事業特別措置法」からの継承と名称の変遷

1965年の同和対策審議会(同対審)答申において、同和問題(部落差別問題)の解決は国の責務であり国民的課題であると位置づけられた。これを受け、1969年に10年間の時限法として同和対策事業特別措置法(同対法)が制定され、劣悪な状況にあった被差別部落のインフラ整備などが急ピッチで進められた。しかし、10年間の事業期間が経過し、さらに3年間の延長を経てもなお、一般地区との格差や差別意識の解消は不十分とされた。そこで、1982年の同対法失効に際し、事業を継続するために新たに制定されたのが地域改善対策特別措置法(地対法)である。この際、「同和」という文言が「地域改善」へと改められたが、これは従来の特別対策から一般行政施策への移行を将来的に見据えつつ、過度な特別視を避けるための政治的・社会的な配慮が働いた結果であった。

特別法の延長と一般対策へのソフトランディング

地域改善対策特別措置法は、当初5年間の時限法としてスタートしたが、格差の残存や運動団体の要望などを背景に、1987年にはさらに5年間延長された。この間、住環境や道路整備といった「ハード面」の整備は着実に進んだものの、教育や雇用といった「ソフト面」の課題、あるいは心理的差別の解消という根深い問題は依然として残されていた。1992年には、さらなる激変緩和措置として地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(地対財特法)へと引き継がれ、対象事業を整理・縮小しながら一般施策へと統合していく方針がとられた。最終的に、約33年間に及んだ国の一連の特別法的措置は2002年(平成14年)3月をもって終了し、以後は一般法や人権擁護施策の枠組みの中で解決が図られることとなった。本法は、戦後の高度経済成長期からバブル期にかけて、国家主導の強力な財政投入による差別解消と格差是正を支えた、過渡期における極めて重要な法制度であった。

現在、部落問題とは: 部落問題研究所50年の歴史

部落問題研究所が半世紀にわたり積み重ねてきた活動の足跡をたどり、現代における課題と向き合うための必読の書。

詳説日本史図録

教科書『詳説日本史』の内容を、豊富な写真や図解、地図でビジュアル化した超定番の図録。文字だけでは理解しにくい歴史の流れや文化財のディテールが視覚的に頭に入る。

最終更新:2026年6月17日 @ 23:49

日本史一問一答(ランダム)

Q. 1929年に成立し、「井上財政」と呼ばれる緊縮財政と金解禁を断行し、ロンドン海軍軍縮条約に調印したことで統帥権干犯問題を引き起こした内閣は何か?
Q. 瀬戸内海航路の重要拠点で、荘園の年貢米などを全国へ輸送するための中継地として繁栄した備後国の港町はどこか?
Q. 平安時代中期に空也が始めたとされる、鉦や太鼓を叩いて念仏を唱えながら踊る儀式は何か?