アルタイ語系
【概説】
日本語の起源に関する有力な系統論的仮説の一つ。ユーラシア大陸北部に広く分布するツングース語、モンゴル語、トルコ語などと共通の祖語を持つとされる言語の系統。
日本語の系統論とアルタイ語説の特徴
日本語がどのような歴史的経緯を経て成立したかという「日本語の系統論」において、最も有力な仮説の一つがアルタイ語系(アルタイ諸語)に属するという説である。言語学において、日本語とアルタイ諸語は文法構造上の強い類似性が指摘されている。具体的には、主語・目的語・述語の順に並ぶ語順(SOV型)であること、てにをは(助詞)や活用語尾が語幹に結合して文法的機能を示す膠着語(こうちゃくご)であること、語頭に流音(r音)が立たないこと、そして母音調和の痕跡が見られることなどが共通点として挙げられる。
弥生時代の渡来と日本語の形成
考古学における人類の移動や文化の伝播とも連動し、日本語の形成過程は推測されている。縄文時代に日本列島で話されていた基層言語に対し、弥生時代に入って朝鮮半島や中国東北部から農耕技術(水稲耕作)とともに渡来した人々が、アルタイ系の言語をもたらしたと考えられている。しかし、語彙の面では南方のオーストロネシア語族との共通点も指摘されており、単一の系統のみに帰属させるのではなく、アルタイ系の文法構造に南方系の語彙が融合したとする混合言語説も提示されている。日本語の起源を探る上で、アルタイ語系との比較研究は現在も重要な位置を占めている。