トラスト(企業合同)

競争を完全に排除するため、同業種の企業同士が合併して一つの巨大な企業となる独占の形態を何というか?
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重要度
★★

トラスト(企業合同)

1920〜1930年代

【概説】
同一産業に属する複数の企業が、法律上・経営上完全に合併して一つの巨大企業となり、市場を独占する組織形態。カルテルやコンツェルンと並ぶ資本主義の代表的な独占形態の一つ。日本においては、大正末期から昭和初期にかけての恐慌期に、産業合理化や国家統制の進展に伴って本格化した。

カルテル・コンツェルンとの違いとトラストの特質

トラストは、市場の独占や競争の排除を目的として形成される。同じ独占形態であっても、加盟企業が独立性を保ったまま価格や生産量の協定を結ぶカルテル(企業連合)や、持株会社などを通じて多角的な産業部門の企業群を支配するコンツェルン(企業連携)とは本質的に異なる。トラストにおいては、参加する企業が完全に合併して単一の企業法人となるため、より強力で永続的な市場支配力と、生産の合理化を達成できる点が大きな特徴である。

昭和恐慌と「産業合理化」によるトラストの進行

日本におけるトラストの形成は、第一次世界大戦後の戦後恐慌から1930(昭和5)年の昭和恐慌に至る慢性的不況期に本格化した。濱口雄幸内閣の井上準之助蔵相らが推進した「産業合理化」政策は、国際競争力の強化と過度な競争の是正を目指し、企業の合併や整理を強く促した。さらに1931(昭和6)年には重要産業統制法が制定され、政府主導によるカルテルやトラストの結成が法的に支援されることとなった。これにより、日本の資本主義は独占資本主義の段階へと急速に移行していった。

日本製鐵の誕生と戦時統制への連動

日本における昭和期のトラストの最大の代表例が、1934(昭和9)年に設立された日本製鐵株式会社(日鉄)である。これは、官営の八幡製鉄所と民間の大手製鉄5社が合併して誕生した巨大な国策会社であり、国内の銑鉄・鋼材生産の大部分を支配した。このようなトラストの形成は、のちの軍部台頭に伴う準戦時体制から太平洋戦争期の国家総動員体制(統制経済)へと直結し、軍需産業を中心とした国家的な生産統制の基盤を形成することとなった。

アメリカ経済史

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日本資本主義の形成者―さまざまの経済主体 (1964年) (岩波新書)

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最終更新:2026年6月17日 @ 23:49

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